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目に見えない汚れを、どう伝えるか

東京都稲城市の水回り工事店さいき設備工業さまのホームページを制作しました。 洗濯槽の完全分解洗浄という「やってみないと価値が分からない」サービスを、 どう伝わる形にしたか。制作の意図をまとめます。

このサービスの難しさ

洗濯槽の分解洗浄は、依頼する前は価値が見えません。 洗濯機は外から見ればきれいで、汚れているのは分解しないと見えない内側だからです。 「なんとなく臭う」「黒いカスが出る」という自覚症状はあっても、 それが何万円も払って解決すべきことなのか、判断がつきません。

しかも、自宅に人を上げて設備を分解してもらう仕事です。 価格が分からない、どんな人が来るのか分からない、という不安が申し込みを止めます。 伝えるべきは技術の高さではなく、この2つの不安の解消だと考えて設計しました。

設計の意図

1. 汚れを「見せる」ことを主役にした

文章で「驚くほど汚れています」と書いても伝わりません。そこで、 分解前後の写真を3箇所ぶん用意しました。洗濯槽の側面、底面、パルセーター(底の回転羽根)です。

1箇所だけだと「たまたま汚い個体では」と思われます。複数の部位で同じように汚れていて、 同じようにきれいになる。この繰り返しが「自分の家のもそうかもしれない」という実感に変わります。 ページの中でもっとも面積を割いているのがこのセクションです。

2. 専門用語ではなく、自覚症状から入る

最初の見出しを「3年以上使っている洗濯機、こんな症状ありませんか?」にしました。 サービス名から始めず、読み手が自分で気づいている状態から入るためです。

ニオイ、黒いカス、洗剤の残り。この3つを並べて、思い当たる人だけが自然に先へ進む構成にしています。 「分解洗浄とは何か」の説明は、その後で十分です。

3. 価格を隠さない

料金の幅をページに明記し、あわせて見積りが無料であることも書いています。 水回りの作業は「見積りを取ったら断りづらいのでは」という警戒が働きやすい領域です。 先に金額の目安が分かれば、その警戒はかなり下がります。

4. 連絡手段を電話とLINEだけに絞った

問い合わせフォームは置いていません。電話とLINEの2つだけです。

フォームは、送ったあと返事が来るまで待つ時間があります。 水回りの困りごとは「今どうにかしたい」で動くことが多く、待つ導線とは相性がよくありません。 また施工する方は現場に出ているので、写真を送って「これ、いけますか」と聞けるLINEのほうが実際の会話に近い形です。 手段を増やすより、確実に使われる手段に絞る判断をしました。

5. 対応エリアをはっきり狭く書く

対応エリアを稲城市・川崎市多摩区・川崎市麻生区と明記しています。 広く見せたほうが問い合わせは増えそうに思えますが、実際には 遠方からの対応できない依頼が増えるだけで、断る手間が発生します。

エリアを絞って書くと、その地域の人にとっては「ここは自分の町の店だ」という情報になります。 地域名での検索にも当たりやすくなり、書いた側にも読んだ側にも得がある書き方です。

検索で見つけてもらうための設計

水回りの困りごとは、多くが地域名とセットで検索されます。 そこで、検索エンジンが事業内容を正確に理解できるよう、構造化データを設計しました。

ページに書いてある内容と、検索エンジンに渡す情報を一致させておくことが大事です。 見た目のためだけに書いた情報と、機械に読ませる情報がずれていると、 どちらの信頼も落とします。

やらなかったこと

ページ数は増やしていません。1枚に収めています。 サービスが1つに絞られているのに複数ページに分けると、 読み手はどこを見ればいいのか迷い、更新する側の負担も増えます。

実績件数や創業年数といった、数字で権威づけする表現も使っていません。 分解写真という具体的な証拠があるので、それ以上の飾りは不要だと判断しました。

このページは、公開されているサイトから読み取れる内容と、制作時の設計意図をまとめたものです。 公開後の問い合わせ件数などの成果は、正確な数字をお預かりしていないため記載していません。

同じ考え方でつくります

「サービスの価値が、依頼する前には見えない」という状況は、水回り工事に限りません。 修理、点検、コンサルティング、士業。多くの仕事が同じ課題を持っています。

見た目を整えるより先に、何が申し込みを止めているのかを見つけて、そこを外す。 ここ企画のホームページ制作は、この順番で考えます。

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